イラレで文字に透明のガラスのようなベベル加工をする方法

2020.3.28

イラレで文字に透明のガラスのようなベベル加工をする方法

イラストレーター(Adobe Illustrator)で背景が透けるガラスみたいな文字の加工を解説します。
つるっとした質感のベベルとグラデーションで透明感を表現していきます。

文字はアウトライン化しなくてもいいので、あとで書き変えたりフォントの変更ができます。

ベベル・エンボス - イラレで文字加工 - アウトライン化する必要なし

ドキュメントのラスタライズ効果設定

文字の加工を始める前に、ボカシやシャドウの効果が荒くなるのをさけるため、ラスタライズ効果の設定をします。

メニューバーの「効果」 → 「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を開きます。解像度を標準以上(150〜300ppi)に設定しておきます。

ドキュメントのカラーモードはRGBにして作業します。メニューバーの「ファイル」 → 「ドキュメントのカラーモード」でRGBに設定します。

ドキュメントのラスタライズ効果設定

アピアランスで「塗り」を追加して光彩で縁取り

背景は白っぽいと読みにくいので濃い色にしておきます。文字ツールで文字を入力してベベルがつけやすい太い書体を選びます。下の例では文字サイズは120ptにしています。

背景は白っぽいと読みにくいので濃い色に

カラーパネルで文字の色を「なし」にします。文字は透明になって見えなくなります。

カラーパネルで文字の色を「なし」に

見えなくなった文字を選択したまま、アピアランスパネルで「新規塗りを追加」ボタンをクリックします。その塗りのカラーを完全な黒(RGBすべて“0”)にします。

アピアランスパネルで「新規塗りを追加」ボタンをクリック

アピアランスパネルの「塗り」を選択した状態で、メニューバーの「効果」 → 「スタイライズ」 → 「光彩(内側)」を選択します。

メニューバーの「効果」 → 「スタイライズ」 → 「光彩(内側)」を選択

光彩(内側)は描画モードをスクリーン、不透明度100%、ぼかし4px、境界線にチェックを入れます。文字のエッジに白いフチがつきます。

「塗り」を選択して透明パネルで描画モードをスクリーンに変更します。

「塗り」を選択して透明パネルで描画モードをスクリーンに変更

スクリーンにすると白い部分は白として残り、黒い部分は透過します。

効果の「パスの変形」で文字にベベルをつける

「塗り」(A)を選択して「選択した項目を複製」ボタンをクリックして複製します。次に複製された塗り(B)を選んでメニューバーの「効果」 → 「パスの変形」 → 「変形」を適用します。

メニューバーの「効果」 → 「パスの変形」 → 「変形」を適用

「変形効果」のパネルで、水平方向と垂直方向を3pxに。オプション欄の「オブジェクトの変形」のチェックを外します。

変形効果「変形」のパネルで、水平方向と垂直方向を3pxに

ベベルにした塗り(B)の色を選択して、グラデーションパネルで黒とグレーの組み合わせで下の図のような線形グラデーションを作ります。

角度は−45°で斜めに。黒は R0,G0,B0に、グレーはR130,G130,B130くらいにしています。

透明グラデーションイラストレーターで透明を表現

塗り(A)を複製して「塗り(C)」を作ります。それを塗り(B)の下にドラッグして移動します。

アピアランスの重ね順変更

この塗り(C)を太らせてフチにします。塗り(C)を選択してメニューバーから「効果」 → 「パス」 → 「パスのオフセット」を適用します。

メニューバーから「効果」 → 「パス」 → 「パスのオフセット」を適用

オフセットで太くする量を調節。角の形状をラウンドにすると角が丸くなります。

フチがつきました。次はこれにシャドウをつけてみます。

イラストレーターで透明を表現

文字の外側だけに影をつける

塗り(C)を複製して「塗り(D)」を作ります。
塗り(D)の「光彩(内側)」を削除。色を白(RGBすべて255)にします。

文字の外側だけに影をつける

塗り(D)が選択された状態で、透明パネルの描画モードを「乗算」にします。

文字の外側だけに影をつける文字の外側だけに影をつける

さらに塗り(D)にメニューバーの「効果」 → 「スタイライズ」 → 「ドロップシャドウ」を適用。XY軸のオフセットは0pxに。不透明度とぼかしを調整します。

メニューバーの「スタイライズ」 → 「ドロップシャドウ」を適用

これで完成です。

アウトライン化なしで文字に透明のガラスのようなベベル加工をする方法

アウトライン化なしで文字に透明のガラスのようなベベル加工をする方法でした。


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