毎年これだけ見つかる不発弾 年間どれだけ不発弾が処理されているか

2017.12.11 (追記 2019.12.03)

毎年これだけ見つかる不発弾

都道府県別で不発弾の発見数が全国でダントツに多い沖縄。うちの近所でも米国製50キロ爆弾1発が見つかりました。

沖縄ではよくあることなのか、それほど騒ぎになってる様子もありません。気になって調べてみると、毎年かなりの数が見つかっているようです。日本で見つかる不発弾についてまとめました。

年間どれだけ不発弾が処理されているか

沖縄県の資料によると、2016年の1年間に処理された不発弾の量は、全国で42トン、1379件。都道府県別で最も多い沖縄県は25.7トン、607件。沖縄だけで全国の半数の量です。さらに沖縄が本土復帰した1972年から2016年までの不発弾処理量を合計すると、全国で4255トン、109503件。沖縄は1768トン、36253件になります。

※資料:沖縄県 平成28年版消防防災年報(8_不発弾)

2016年の1年間に処理された不発弾の量は全国で42トン1972年から2016年までの不発弾処理量4255トン

さらに面積で比較すると、1km²あたりの不発弾は全国(沖縄県以外)では6.3kg。沖縄は767kgで120倍の量です。

※沖縄は2271km²、全国(沖縄以外)を375690km²として計算

面積当たりの不発弾量

沖縄の市町村別不発弾発見届件数(1979〜2016年)では、最も多いのが那覇市で7051件、続いて浦添市が3761件、糸満市が3174件となっていて、不発弾が激戦区だった南部に集中していることがわかります。

沖縄の市町村別不発弾発見届件数(1979〜2016年)

不発弾処理はいつ終わるのか

沖縄県内では毎年20トン程度の不発弾が処理されているそうです。沖縄に不発弾はあとどれくらい残っているんでしょうか。

1945年までの空襲と沖縄戦で使用された日米の全ての爆弾は約20万トンあります。そのうち5%の1万トンが何らかの理由で爆発しなかった不発弾。戦後、爆発するかもしれない1万トンの不発弾が沖縄に残されました。

沖縄戦で使用された日米の全ての爆弾は約20万トン

沖縄復帰以前に住民と米軍が5500トン、復帰後に自衛隊が2015トンを処理しました。1万トンの不発弾のうち、2016年までに合計7515トンが処理済みで、残りは2485トン。 山の中や海中深くにあり見つけるのが難しいものは「永久不明弾」と言われていて、およそ500トンあります。それを除くと1985トンの不発弾が残っています。

毎年20から40トンが処理されていますが、この調子だと完全処理に80年かかるそうです。

不発弾残量 毎年20から40トンが処理

不発弾による死者数

沖縄タイムス(2009年6月17日)は、「不発弾で死亡 戦後710人」という見出しで1面に記事を載せています。「沖縄戦以降、不発弾が原因とみられる爆発事故は1087件、死傷者1991人、うち死亡者は710人」ということですが、ほとんどが本土復帰前の件数です。復帰後(1972年以降)は、工事中や不発弾解体中の事故で死亡者は6人となっています。

※資料:沖縄タイムス

2018〜2019年に発見・処理された不発弾(沖縄県)

2019年

2019年9月25日
石垣市大浜と真栄里 それぞれ250キロ爆弾1発

2019年9月13日
陸上自衛隊那覇駐屯地内 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年9月12日
沖縄県八重瀬町東風平 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年9月11日
糸満市真壁 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年9月7日
西原町徳佐田 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年8月3日
那覇市の那覇赤嶺トンネル 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年7月31日
与那原町与那原 米国製5インチ艦砲弾2発

2019年7月31日
金武中城湾港の沖合 81ミリ迫撃砲弾1発

2019年7月6日
浦添市経塚 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年6月29日
浦添市経塚 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年6月13日
那覇港湾施設(那覇軍港)内 米国製の500キロ爆弾1発

2019年5月29日
宮古島市平良港湾 50キロ爆弾や50ミリ迫撃砲弾などの不発弾計139発

2019年4月21日
那覇市 陸上自衛隊那覇訓練場内 米国製5インチ艦砲弾2発

2019年3月27日
中城湾港新港地区 津堅島西方海中 不発弾計50発

2019年3月8日
浦添市前田 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年3月2日
南城市大里当間 米国製250キロ爆弾1発

2019年1月23日
南城市大里福原 米国製5インチ艦砲弾1発

2019年1月23日
宮古島市上野野原 米国製50キロ爆弾1発

2018年

2018年12月18日
那覇市小禄 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年12月15日
那覇市宇栄原 旧日本軍製60キロ爆弾2発

2018年12月8日
那覇市宇栄原 旧日本軍製20センチ砲弾1発

2018年11月13日
与那原町与那原 米国製250キロ爆弾1発

2018年11月9日
那覇市首里石嶺 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年11月6日
那覇市宇栄原 旧日本軍製20センチ砲弾1発 同旧日本軍製60キロ爆弾2発

2018年10月23日
石垣市真栄里 旧空港跡地内 米国製50キロ爆弾1発

2018年10月13日
南風原町宮平 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年9月19日
八重瀬町富盛 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年9月17日
石垣市真栄里 旧空港跡地内 米国製250キロ爆弾2発 同50キロ爆弾4発

2018年9月6日
糸満市国吉 米国製250キロ爆弾1発

2018年9月1日
那覇市久米 天妃小学校 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年8月30日
八重瀬町後原 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年8月20日
与那原町与那原 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年8月4日
那覇市安謝 米国製50キロ爆弾1発

2018年7月22日
西原町幸地 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年7月8日
浦添市大平 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年7月4日
糸満市真壁 米国製5インチ艦砲弾

2018年6月26日
八重瀬町東風平 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年6月24日
浦添市前田地区 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年5月28日
与那原町与那原 米国製5インチ艦砲弾

2018年5月24日
石垣市真栄里 旧空港跡地内 米国製50キロ爆弾9発

2018年5月20日
浦添市当山地区 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年5月9日
宮古島市上野野原 陸上自衛隊駐屯地工事現場 米国製250キロ爆弾1発 同50キロ爆弾2発

2018年4月22日
沖縄県南風原町喜屋武 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年4月15日
浦添市の大平地区 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年4月5日
中城湾港新港地区東ふ頭沖 工事現場 米国製不発弾8発

2018年3月21日
沖縄県南城市玉城愛地 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年3月15日
宮古島市上野野原 陸上自衛隊駐屯地工事現場 米国製50キロ爆弾3発

2018年3月8日
与那原町上与那原 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年2月21日
読谷村渡具知沖 米国製5インチ砲弾12発 81ミリ野戦砲弾1発 155ミリ野戦砲弾1発

2018年2月9日
野湾市の西普天間 米国製5インチ艦砲弾2発

2018年2月7日
恩納村真栄田沖 米国製3~5インチ砲弾計12発

2018年2月2日
石垣市真栄里 米国製250キロ爆弾2発 同50キロ爆弾1発

2018年1月30日
うるま市石川 米国製50キロ爆弾1発

2018年1月28日
南風原町与那覇 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年1月27日
南城市大里仲間 米国製5インチ艦砲弾1発

2018年1月20日
那覇市松尾(国際通り) 米国製50キロ爆弾1発

※資料:沖縄タイムス(不発弾)   沖縄タイムス(不発弾処理)

決定版 東京空襲写真集 アメリカ軍の無差別爆撃による被害記録