2019.5.15
タイポグラフィは、もとは活版印刷の技法を意味する言葉でしたが、時代とともに言葉の使われかたや意味が少しずつ変化して、いまは一般的に、文字の位置や大きさのバランス、書体選びなどを意識して「文字をデザイン的に美しく配置する(組み立てる)」ことをタイポグラフィと呼んでいます。
タイポグラフィとは
タイポグラフィの例
下の2つのデザインを比べると、文章は同じでも受けとるイメージに大きなちがいがあります。
文字をならべただけ
タイポグラフィを意識したデザイン
文字を並べただけの文章は読みづらいだけでなく、安っぽい印象を受けます。タイポグラフィを意識して、文字を美しく組み立てたほうは、言葉の意味以上に品格や高級感を感じます。以下、タイポグラフィを考えるときに注意するべきポイントを説明していきます。
行数が多い文章は中央に揃えると、その文章のブロックがバラバラに見えてしまうので、左揃えまたは均等配置にして縦のラインを揃えるようにします。
センター揃え
均等配置(最終行左揃え)
共通の内容をまとめて、グループに見えるようにレイアウトすると、情報が把握しやすくなります。関連のある情報は余白をうまく利用してグループ化しましょう。すっきりまとまって読みやすくなります。
ブロックがまとまりに見えるようにレイアウトする
明朝体やゴシック体のフォントを混在させることは(あえてそうする場合を除き)なるべく避けます。デザインがごちゃごちゃしないように、フォントの種類は最小限にして、強調する見出しなどには太字を、本文には細字を使ってメリハリをつけます。
フォントがバラバラで統一感がない
まとまって見える
文字と文字の隙間が等間隔になっていなかったり空きすぎていると、パラパラとまとまりがないように見えてしまいます。普通に文字を打つと漢字は文字間が詰まりぎみ、カナや句読点は空いているように見えるので、文字の形に応じて調整します。
まとまりがない
ひとつの固まりに見える
あえて文字間を空けてゆとりを表現する場合もある
重要な要素を大きく強調すれば内容が伝わりやすくなります。優先順位の高い見出しと本文の大きさに差をつければ、デザインにメリハリをつけることができます。
ゴシック体はシンプルで現代的、力強い元気なイメージがあります。視認性が高いので読みやすく明快です。わかりやすく伝えたい場面で有効な書体です。
読みやすさ
元気のあるイメージ
インパクトや視認性
シンプルで現代的なイメージ
明朝体は伝統的で品格のある繊細なイメージがあります。日本的なものや伝統文化を表現するようなデザイン、高級感を演出したいとき使われることが多い書体です。
日本的・伝統的なイメージ
品格があるイメージ