沖縄の水道水はだいじょうぶ?米軍によるPFOS汚染 基地公害について ジョン・ミッチェル

2019.1.16

沖縄の水道水はだいじょうぶ?米軍によるPFOS汚染

沖縄の基地問題といえば、航空機の墜落や騒音、米兵の犯罪などが思い浮かびますが、それ以外にも基地公害という深刻な問題があります。

基地公害とは軍事基地による環境破壊や住民の生活におよぶ害です。例えばふだん安全だと信じて飲んでいる水道の水が汚染されていたとしたら怖いですよね。

水道水は安全か?

2016年に嘉手納基地周辺の浄水場の飲料用水が、有害物質で汚染されていたことがわかりました。

この有害物質はPFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)と呼ばれるは残留性汚染物質です。PFOSは国際がん研究機関(IARC)が 発がん性のおそれがある物質として分類しており、国内では製造・使用が禁止されています。

基地で消火剤として使われているPFOS・PFOA

実は1970年代から(現在も)米軍基地ではPFOSを含んだ消火剤が使われていて、基地内のスプリンクラーから噴出する事故も起こっています。米軍は事実関係を認めていませんが、国内で使用が禁止されている物質が、基地周辺だけで検出されるということは米軍が関係しているとしか考えられません。

沖縄タイムス(2019年1月10日)によると、沖縄タイムスは米軍内部文章を開示請求により入手しました。ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏は、その内部文章の内容から、嘉手納基地内のPFOS・PFOA汚染について2014〜17年に高濃度の汚染が見つかっていたと伝えています。
これが事実なら米軍は「汚染は知っていたけど日本には言わなかった」ということになります。

日米地位協定と基地公害

米軍は調査を拒否

米軍は、米国内やドイツ、韓国、ベルギーにある基地でPFOS汚染を認めてきました。しかし、日本国内の基地では汚染を認めていません。基地内の立ち入り調査も拒否しています。日米地位協定があるため、日本側は米軍の許可なく基地に入ることはできず、これ以上PFOS汚染の原因を調査できません。日米地位協定を改定しないかぎり根本解決は難しいでしょう。

沖縄の水道水は飲める? 沖縄県の浄水場で検出されるPFOS・PFOA

沖縄の浄水場では、PFOSなどを活性炭に吸着させて浄化しているそうです。

沖縄県企業局「企業局における有機フッ素化合物の検出状況について」

沖縄本島の各浄水場で検出されるPFOS・PFOAの量(2017年)はこちら

 北谷浄水場 原水 

 名護浄水場 原水 

 石川浄水場 原水 

 西原浄水場 原水 

40ng/L

1ng/L

2ng/L

1ng/L

単位:ng/L(ナノグラム)

沖縄本島では(特に北谷浄水場からの)水道水を飲んだり料理で使う場合は、活性炭が入った浄水器を利用した方が良さそうですね。

PFOSの問題は沖縄だけでなく、横田基地などでも汚染が発覚しています。PFOSなどの基地公害について、ジョン・ミッチェル氏の「追跡 日米地位協定と基地公害――『太平洋のゴミ捨て場』と呼ばれて」でくわしく解説されています。


[2019.4.25]
2018年12月から2019年1月の水質調査で、最高値2100ngのPFOS・PFOAが検出されたそうです。濃度は米国基準の30倍です。
有害物質 最高濃度を検出/米軍基地周辺 県が水質調査/屋良ウブガー 米基準の30倍(沖縄タイムス)

[2019.5.17]
宜野湾市と南城市の住民を対象に実施したPFOS、PFOA、PFHxS(ピーエフへクスエス)の血中濃度調査で、宜野湾市住民はPFOSが全国平均の4倍検出されました。1mlあたり全国平均が3.5ng、南城市6.6ng、宜野湾市13.9ngが検出。
血中有害物質、全国の4倍 宜野湾住民を京大が調査 「水道水汚染」指摘 「基地内に原因」/沖縄(毎日新聞)

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