瀬長亀次郎の名言が満載 映画 “カメジロー2”を見た!米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯

2019.8.20

瀬長亀次郎の名言が満載 映画 “カメジロー2”を見た!

映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』が8月17日、桜坂劇場で先行上映され、佐古忠彦監督の挨拶があるということで初日に見にいきました。感想(ネタバレなし)を書きます。

どんな映画?「米軍が最も恐れた男 カメジロー 不屈の生涯 」

この映画をざっくりと説明すると、アメリカ施政下の沖縄で圧政を強いられていた県民と本土復帰のために弾圧を恐れず闘った政治家、瀬長亀次郎のドキュメンタリーです。亀次郎の半生とともに沖縄の戦後史が描かれています。

2017年に公開された前作『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』は、TBSがテレビ用に作った番組を映画化したもので、今回はその第2弾になります。

第1弾はこちら↓

“カメジロー2”は前作と比べて、より亀次郎という人間のパーソナルな部分にスポットを当てたものになっており、亀次郎の妻や娘、父親とのエピソードも盛り込まれています。

“カメジロー1”とは取りあげたエピソードに違いはありますが、基本的には似た流れなので、前作を見ていないと“2”がわからないということはありません。ただし、沖縄の基地問題についてまったく知識がない場合は、すこし調べてからのほうがより理解できると思います。

カメジロー2の感想

この映画を見て、率直に生きかたにシビれました。

冒頭の「男は決して曲がらない一筋の道を歩き続けた」というナレーションのとおり、まっすぐとブレることない亀次郎の人生。自治権が認められず、アメリカに従うしかなかった時代に(現在も状況は本質的に変わっていませんが)抵抗することは勇気のいることだったと思います。

米軍からさまざまな弾圧や妨害を受けますが、それでも不屈に正しいと思うことを貫いた亀次郎。米軍と日本政府にまったく屈しない本気の政治家だと感じました。

当時応援していた支援者・関係者のインタビューから、借金をしてでも困っている人を助ける話がある一方で、亀次郎自身の日記には、子供に「うちはいつテレビを買うの?」とせがまれて困るというエピソードもあり、ひとりの人間としての生きざまや家族愛を描いた部分も本作の魅力です。

随所に亀次郎の名言が飛び出しますが、特に国会の佐藤栄作首相との質疑シーンは見どころ。

「基地もない、アメリカ軍もいない、初めて平和という言葉が使えるんだ!」
「この沖縄の大地は再び戦場となることを拒否する!基地となることを拒否する!」

この前後にはどんなやりとりがあったのか、前作よりも尺をたっぷりとっています。

本土の盾になり沖縄戦を生き延び、その後も本土から切り離され、米軍による理不尽な事件や事故、多くの女性が強姦され暴行されていた沖縄。アメリカのトランプ大統領は日米安保が不公平だと言っていますが、日米にずっと不公平を強いられてきたのは沖縄県民で、沖縄の犠牲のうえに日本本土の経済復興がありました。

改めて沖縄の基地負担について考えさせられる映画です。

映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』予告編