猫歩行器の作り方 手作り猫歩行器

2018.7.9

ひとりで歩行練習ができるリハビリ用歩行器の作り方

ケガをして歩けなくなった猫へ

うちのタマ(猫 18才)が骨折したときに作ったリハビリ用の歩行器(車椅子)です。骨折後、立ち上がることができなかった状態から、この歩行器を使って練習した結果2週間ほどで歩けるようになりました。

人が支えながらリハビリするのも限界があります。この歩行器のキャスターは弱い力でも動くし、転倒する心配がないので安心して練習させることができました。また、胸・腹・尻で体を支えるので首をしめつけません。

作り方は簡単ですが、3kg未満の猫にあわせたサイズになっているので、大きい猫、犬の場合はフレームやヒモを長くするなど調整が必要です。

猫歩行器

フレームを組み立てる

フレームとキャスターは、ホームセンターに売っていた「イレクター」という商品を組み合わせて作りました。とくに道具も必要なく、専用の接着剤だけで簡単に組み立てられます。イレクターは矢崎化工という会社が販売しています。オンラインショップ や amazonでも購入可能です。

矢崎化工イレクター

使ったパーツの種類と数は以下のとおり。すべて直径28mm(Φ28)用です。

イレクター パイプ H-300 アイボリー
130円 必要数 8個

イレクター 専用キャスター JC-50 (室内専用)
420円 必要数 4個

ジョイント J-4 ブラック
190円 必要数 4個

ジョイント J-23B アイボリー
100円 必要数 2個

サンアロー接着液 30ml EY-30(イレクター専用の接着液です。)
330円  必要数 1個

※金額はホームセンターでの価格


組み立てはパイプをジョイントにつないで、スポイトを使って、ジョイントのすきまから接着液を数滴流し込むだけです。ジョイントの穴を上に向けて流し込むと液が垂れません。キャスターの固定は付属の両面テープを使用します。

イレクター組み立て

ジョイントにパイプをはめて、すきまに接着液を流し込みます。

イレクター組み立て

ジョイントのJ-23Bはベルトのズレを防止するためのストッパーです。

イレクター組み立て

キャスターのみ、付属の両面テープで固定します。フレームが完成しました。

イレクター組み立て

ベルトはミシンで(なければ手縫いで)縫い合わせる

猫の体を支える布のベルトです。材料の布は人間のパジャマを分解して利用しました。柔らかければなんでも良いと思います。

まず猫の胸から尻までのサイズを測って、本体の長さを決めます。幅は胴回りの1/3くらいの長さにします。型紙を作って前足・後足の位置にあわせて形を決めます。胴体を支える帯は、幅が太すぎると歩きづらくなります。図は体重が2kgの痩せ型の場合です。

猫歩行器ベルトサイズ
猫歩行器ベルトサイズ

型紙を猫にあわせて問題なければ布を切っていきます。

猫歩行器ベルト

ミシンで縫い合わせます。2000円で買った激安ミシンが活躍!

猫歩行器ベルト

ベルト完成。

猫歩行器ベルト

フレームにベルトを結んで完成

足の長さ、お腹の高さにあわせて紐の長さを調整してフレームに結びつけます。まっすぐ立ったときにお腹と布の間に十分すきまができるくらいに、低めに結ぶと歩きやすいようです。

猫歩行器完成
猫歩行器完成
猫歩行器完成

実感として転倒せずに長い時間、歩行練習ができるので、これを使えばかなり回復が早いと感じました。
歩こうとしているのにうまく歩けない、事故でケガをした犬猫たちのリハビリに、この記事が参考になれば幸いです。

2021年9月追記
この記事を掲載してから3年ほど経過しました。このページを参考にして歩行器を作って活用しているというご連絡を数名の方からいただきました。歩行器を必要としている動物たちに役立てることができてよかったです。

しかし一方で、歩行器を使う動物のサイズや状態に合わせて調整や工夫が必要で、工作が苦手な方には難しいかもしれません。その場合は無理をせず市販の車椅子を購入することをおすすめします。